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「2011年 野鳥観察会in県民の森」

今年の野鳥観察会(主催は県植物園)は珍しく雪景色の中での実施でした。しかもビックリの雪の朝にもかかわらず参加者9名もの人が定刻(?)に集合してくれました。恥ずかしくて聞かなかったのですが、後れたのは講師(報告者)だけと少々気後れする観察会で始まりましたが。

観察が始まり、と同時に皆さんは県民の森の雪景色に感激するばかり。シラカシの葉に積もった雪、ヤマツツジの枝にできた小さな綿帽子、天然の造形をただ々感激するのみでした。しかも下見の時に多かった散策の人、勝田マラソンのトレーニングと思われる多くの人、さすがに雪の森には見られない、静かな雪景色と野鳥観察の自然を堪能しました。

1.実施日時  平成23年1月16日(日)午前9時(実施9時20分)〜12時まで

2.場所  那珂市県民の森

3.参加者  11名(一般参加7名、会員参加2名、講師と植物園職員各1名)

4.観察した野鳥とその状況

雪の県民の森で野鳥観察として初めての経験でした。やはり野鳥は雪の中では大形のヒヨドリの独り舞台でしたが、雪が溶け梢の合間から青空が見えると、シジュウカラやメジロなどの小鳥が多く姿を見せてくれました。でも日陰の雪の中に長く立っての観察は年寄りにとって寒い真冬の日でした。確認した野鳥は24種類もいましたが、雪の日はなかなか止まってくれず、双眼鏡に不慣れな人には難しい観察になりました。

駐車場の池の柵には、オスのジョウビタキが目の前で、池ではオナガガモの夫婦(?)、沢山のカルガモ、そして(青首)アヒルと思ったら3羽中1羽はマガモでした。またスズメが元気に土手の芝生で集団移動し、多くのキジバトが高い梢を飛び交い、鳥獣センターのビワの木には沢山のメジロが遊んでいました。ハシブトガラスがカアカアと遠くで騒ぎ、また少し暖かくなると上昇気流に乗ったトビが高く飛翔し、日当たりの良い木の下ではアオジが餌をついばみ、目前の観察は歓びそのものでした。その脇をビンズイが一瞬の間に飛び去り、カシラダカも姿を見せ草むらへ早々に消えました。丘の上のヤマザクラには沢山の(雪の)花が咲き、花びらが飛び散りはじめると、見たことがないほどの大形ヒヨドリが20羽も一斉に飛び立ちました。(30羽と主張した女性も…)

マツの試験林に入ると何も見えない、聞こえない寒い森。ガッカリして歩き森の端まで来ると高いマツの梢の上でざわざわと枝が動く。よく見るとメジロ、キクイタダキ、エナガ、シジュウカラ、ヒガラ、コゲラ、ウグイスなどが一度に動き始めました。沢山群れをなしていたのはメジロで、マツボックリの実に逆さになったりぶら下がったりして餌をついばんでいましたが、なにしろ高いマツの木なので首は痛くなる、足は雪の中で冷たくなる、それでも野鳥を観察したい皆さんはしばらくの我慢に耐えました。

県民の森を一巡し森のカルチャーセンター近くに来ると、シロハラと珍しくアカハラ(我が家の庭先には毎日いますが…)が例によって、枯葉を1枚1枚裏返して餌を探し、ツグミがそれを遠目で羨ましく見守り、その前をシメが直線飛行で一瞬にして森の中へ飛び去りました。その後ムササビが加工した鳥の巣箱も見学しました。

そして最後に森のカルチャーセンターの日当たりで、椅子に座ってから鳥あわせをし、楽しい観察会を思い出し無事に解散することができました。

下の写真は参加した会員の山口さんと報告者の撮影したものです。写真よりも実物はもっともっと素晴らしいものでした。(山口さんゴメン!)

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5.感想

今回の野鳥観察会では例年になく貴重なそして素晴らしい体験をしました。ひとつは、当日の朝、積雪とひときわ寒い外気温で道路は凍て付き、滑って道を塞ぐ車を退かすなど私が独りで交通整理をしました。そのことで集合時間に遅れてしまいましたが、その交通渋滞のなか、他の皆さんは私を見るだけで全く協力してくれなかった。そのことで最近の人たちの気質(?)非協力的な態度(!)、世相を実体験できたこと。二番目は、ツルツルに凍結した危険な道路のなかを9名もの人が参加してくれたこと。なかにはスタッドレスタイヤの試運転(?)初体験の人もいたようですが。三番目は、素晴らしい県民の森の雪景色を、野鳥観察ソコソコに堪能でき皆さんが喜んでくれたことです。

すでに10年近く県民の森で自然観察をしていますが、今までにない素晴らしい経験、野鳥観察以上の冬景色を楽しめたことです。交通整理とあわせて感激でした!

今回、雪の野鳥観察会に参加し協力頂きました皆様に御礼の言葉を申し上げます。

森林インストラクター茨城 林 聰一郎(報告)

最終更新日:2011年1月25日
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