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「近県合同観察会 in みちのく」
〜〜〜東日本大震災復興祈念〜〜〜

近県合同観察会は平成19年、栃木、福島、茨城3県にまたがる八溝山でスタートしました。昨年度は栃木の日光・雲竜渓谷で実施し、神奈川会の方が参加されました。

本年度は東日本大震災が発生して開催の可否を思案しましたが、福島の藤田さんに、甲子高原での開催を打診したところ、地元で良くご存じのフィールドとの事で、快諾され、かつ詳細計画を作成して頂きました。茨城・林会長より〜東日本大震災復興祈念〜の副題を頂き、交流のある各県に案内を連絡したところ、神奈川、宮城からも参加を頂き、5県で総勢23名となりました。

初日は、みちのくと関東の境、大峠迄の往復路と那須連山斜面のお花畑で、たっぷりと植物観察を堪能した後、新甲子温泉に宿泊して懇親を深めました。2日目は「新甲子遊歩道」の散策と「那須平成の森」の見学で、再び森林の良さを味わい、盛り沢山の日程でしたが、十分な観察と交流が出来ました。

1.日程

平成23年7月9日(土)白河市ジャスコ集合〜大峠・流石山斜面お花畑観察
記念写真撮影〜観音沼〜民宿「はなのや」夕食・懇親
7月10日(日)早起き野鳥観察〜新甲子遊歩道散策・観察
那須平成の森見学〜昼食後解散

2.参加者

(1)森林インストラクター茨城

林、塚本紘、高橋、堀内晴生、柿崎、居村、阿萬、山口、長山、鈴木、塚本栄子、吉田各氏と筆者(杉山)の13名

(2)森林インストラクター会福島支部:藤田さん

(3)とちぎ森林インストラクター会:武井副会長、海老原副会長、野口さん、小川さんの4名

(4)全国森林インストラクター神奈川会:白鳥さん、菅原さんの2名

(5)森林インストラクター宮城:大友会長、相澤さん、大友麗子さんの3名

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大峠で武井さんの花畑の説明
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ニッコウキスゲの群落
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那須茶臼岳の白い湯気
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お花畑で花の鑑定
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大友会長講話
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白鳥さん・小鳥笛
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大震災復興祈念・寄せ書き
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新甲子遊歩道・阿武隈川源流で一休み
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駒止めの滝

3.国道289号「登山国道」

新白河駅横のジャスコ駐車場に、東北道、常磐道、一般道等経由で、相乗り等で来られた方々と新幹線で来られた方が集合、国道289号を当日の宿舎「はなのや」に向かいました。国道289号は甲子温泉より先は車が通れない登山路となり、会津に通じる「登山国道」として知られていました。それだけに甲子温泉は秘境?の温泉でした。「はなのや」で車の台数を減らして目的地の大峠に向かいました。今では甲子山の下を平成20年にトンネルが完成し、簡単に西会津側に出られるようになりました。登山道のR289国道標識は撤去されたとの事です。

4.林道・大峠線「会津中街道」〜大峠

国道289号から林道に入ると、道は次第に細くなり、道床も凹凸し、対向が難しくなってきました。林道終点の駐車場は狭く、駐車に苦労しましたが、減車は正解でした。お昼の時間が近く、駐車場の先で早い昼食をとりました。昼食後出発してすぐにショウキランに遭遇し、皆さんの観察に熱が入りました。参加の方々それぞれ目の着けどころが違いますが、宮城の大友会長から詳細な写真と寄稿文を頂きましたので、植物に関してはそちらを参考にお願いします。登り始める前の小さい十字路に「会津中街道」の標識が掛っていました。「会津中街道」は1183年に発生した日光大地震で、「会津西街道」が通行止めになった際その代わりに開削されて、氏家と会津を結ぶ街道として重要視され、明治の戊辰戦争時、会津藩と新政府軍との激戦地となったそうです。

5.大峠・流石山・観音沼

観察に時間と汗をかいて大峠に着くとニッコウキスゲの群落と花畑が待っていました。先行された栃木の武井さんにお花畑のガイドをして頂きました。山登り派は流石山に向かって一登りして、茶臼岳の白い煙を眺望しました。「オー花畑で昼寝をすれば!」と歌いたくなる気分でしたが、大峠で参加者全員の記念写真を撮って、雨の懸念もあり、早めに下山となりました。林道・大峠線の途中にある観音沼森林公園に一時駐車して、静寂な沼とジュンサイを眺めました。ここで、神奈川会・白鳥さんが小鳥笛の指導をしてくれました。秋の紅葉は綺麗な様です。

6.旅館「はなのや」・懇親会

民宿旅館「はなのや」に着いて、小さな風呂で順次汗を流し。もちろん温泉、弱アルカリ性単純温泉で神経痛、冷え性、疲労回復等、脳や傷にも利くと。短時間でも利いた感じがしました。夕食は美味しく、藤田さんが用意した地酒も利き、皆さんの差し入れが余るほど。食事の合間に大友会長から、3年前の宮城内陸地震と、今回の大震災の違い等のお話を聞きました。地震専門の吉田さんから地震予知は難しいとの話。神奈川会の白鳥さんから手製の小鳥笛を全員が頂き、笛の演奏もありました。自己紹介しながら、お互いの植物観察の話で、時間が過ぎました。最後に、東日本大震災の復興祈念の思いを、皆で色紙にしたため、宮城会に託しました。早めに就寝ですが、幹事の部屋は遅くまで2次会?でした。

7.新甲子遊歩道散策

翌朝は、天気予報が大外れの素晴らしい快晴。早朝から散歩と植物観察する人。小鳥笛で、野鳥を誘い観察する人、温泉に入り直しする方と様々。やはり山の宿と近辺の良さは格別でした。朝食後藤田さんの案内で、宿からすぐの新甲子遊歩道をグルット回りました。オヒョウ、ブナ、シラカバ等から始まり阿武隈源流に沿った崖際を登り降りする遊歩道で、各種のシダや樹木が観察しほうだい。清流には山椒魚が。最後の剣桂神社には見事な桂。豊かな森林が見事で、また来てみたいとの声が多く出ました。

8.那須平成の森

新甲子温泉から那須側に通じる道を行き、今年5月に開園した「那須平成の森」を訪れました。那須御用邸用地の半分560haを天皇在位20年の節目を機に環境省に移管され、整備した後開園を迎えたとの事です。日曜日でメインの駐車場は満杯状態、一部の方は入りきれず北側駐車場に廻り、駒止の滝を見、「ふれあいの森」も歩きました。フィールドセンターは駐車出来た一部の方が見学しました。

9.白河ラーメン・別れ

那須高原を下り、国道4号線にある白河ラーメンが美味しいとのドライブインに到着。早速注文しました。観察疲れとすきっ腹にこの白河ラーメンを食べ、皆満足でした。ここでお別れ解散となりました。

帰りの東北道で土砂降りの雷雨に遭遇し、ひやりとしましたが、2日間とも天気に恵まれた事を実感しました。これも「晴れ男」の堀内さんのおかげと感謝。

コース設定から案内まで、すっかり藤田さんにお世話になりました。ありがとうございました。参加の皆さまにも御礼の言葉を申し上げます。

10.観察した植物

大峠・お花畑

草本類 ショウキラン、ギンリョウソウ、ハクサンフウロ、オニアザミ、モミジカラマツ、ハルカラマツ、イワカガミ、コメガヤ、コメススキ、ウサギキク、ヤマオダマキ、アオヤギソウ、ミヤマトウキ

木本類 アカミノツゲ、アサノハカエデ、イチイ、オオイタヤメイゲツ、ダケカンバ、シモツケ、ハナヒリノキ、ウラジロヨウラク、コメツツジ、ミネカエデ、ヤハズハンノキ、ミヤマハンノキ、ヤマグルマ

新甲子遊歩道

草本類 クサアジサイ、セリバオウレン、イワタバコ

木本類 サワシバ、クマシデ、シナノキ、オオバボダイジュ、アズキナシ、ブナ、ミズナラ、ツルアリドウシ、オヒョウ、ウリハダカエデ、ツクバネ、イタヤカエデ、ハウチワカエデ、シャラ、ハイイヌガヤ、カツラ

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ギンリョウソウ
photo11 ←ショウキラン

報告:杉山正夫

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最終更新日:2011年8月1日
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